気密を考える 2
今日は昨日のお話の続きです。
気密をとらない施工というのは、断熱材の効果も無意味にしてしまう話。
断熱材とは、「空気の流れを止める」というところに意味があるということ。
それが気密工事をせずに断熱材だけ入れても、空気は動いてしまうわけなので、たとえば数値で表している効果も出ていないことになってしまいますね。
冬に胸元の空いたセーターを着るのと、タートルネックとの違いのようなもので、間違いなく後者のほうが暖かいのと同じだと書かれていました。
隙間から室内の暖かい空気が流れ込むのと同時に、壁の中で冷やされて壁内結露を起こすことも、よく知られている話です。
北欧や寒い国の建物は、その為に外壁面に気密シートを張り巡らせるのが当たり前になっています。(断熱材がグラスウールの場合ですが)
そんな常識があるにも関わらず、気密を悪者あつかいする風潮があるのは、いまだに古い日本家屋をイメージして設計をする頭の固い建築士の皆さんのせいかなと考えます。
自分もまた、そういう頭の固い設計士であったからこそ、あえて言いますが、日本の家づくりをきちんと考え直さないといけないと思います。
自分の固定観念にとらわれず、公平な目で見て、本当に大切なのはどういう家づくりかを未来に残す仕事をする立場から考えていただきたいと思っていますね。