スマートハウスとパッシブハウス

今日は、昨日のセミナーで聞いた話の、他の話を書かせていただきます。

ここのところ注目を浴びている家づくりの方向で二つのものがあります。ひとつは「スマートハウス」もうひとつは「パッシブハウス」。これらについて、分けて教えていただきました。

まず、スマートハウスというのは、言ってみれば機械によってセロエネルギーを目指す住宅。

パッシブハウスというのは、できるだけ機械に頼らず、建物の性能を極限まで上げた住宅。これは「無暖房住宅」と混同されがちですが、そこまで言わず空調機械は使います。

単純に、どちらを目指すべきかとなるかと思いますが、実はそこまで必要ないのではというのが、私の率直な感想ですね。

 

スマートハウスは機械設備に頼るわけで、必ずなにがしかのエネルギーは必要です。しかも機械はいずれ壊れると考えなくてはなりません。

問題なのは、今さかんに造られているスマートハウスが、どれも断熱などの住宅の性能自体はレベルの低いものになっています。機会がダメになったら普通の家ということですね。これではいけません。

ローコスト住宅をスマートハウス化して建ててもダメということ。あくまで高断熱のベースが出来た建物に加えて、取り組むものだということです。

 

パッシブハウスのほうは、外壁の断熱材を極端に厚くしたりして作る、特殊な工法になります。この断熱工事にかかるコストが、はたして見合うのかどうか?その特殊な工法が一過性のもので終わる可能性もあります。

それぞれの家づくりの方向性は、将来を考えるうえで必要であるけれど、まずは飛びぬけて特殊すぎないことも大事なことであります。

家づくりも、少しずつでも新しい技術が開発されていくことでしょう。その中でやはりどんなものにも対応して、基本ベースが活かせる住宅だったらいいですよね。

私はそんな工法にFPの家が当てはまると考えています。断熱と構造体はそのままで、増築でもリフォームでも可能です。

やはりベーシックなものは、シンプルで尚且つ優れたものであります。だからこそ永年この工法が続いてきているのだと思います。

ちょっと宣伝が過ぎるかもしれませんが、他の工法に目ぼしいものが見つからないからですね。シンプルさと高性能。ここは外さないようにお考えいただきたいと思います。

吹抜と暖房

昨日から福井も少し雪が積りました。勝山のほうはどうかと行ってみましたが、福井とあまり変わりませんでしたね。しばらくはまた雨に変わりそうです。

今日はメンテナンスや打ち合わせで、OBのお客様宅を数件回らせていただきました。どのお宅もFPの家なので、暖かく安心します。やはりこういうとき、性能のしっかりした家を造っていることで、こちらも安心出来ますね。

上はロフトから2階の洋間を見下ろした写真です。

五つある窓は、実は外部で使用する木製サッシを使っています。なぜかというと、1階リビングとの音の遮音をご要望されたからなんですね。サッシだけでなく壁、天井も防音仕様で造っています。

しかし、こうやって窓を開けておくと、下からの暖気も取り込めるので、空調の効率からいうと、できるだけ開けておくことをお勧めしています。

通常の家ですと、閉じないと暖かくならないといいますが、FPの家は逆ですね。開けておいたほうが暖かい。これが性能のある家の証なんですね。

換気風量測定

今日は換気システムの風量測定を行いました。写真は測定器で測っている様子です。
FPの家は、必ず測定を行って、計画通りに動いているか確認をします。

換気がきちんと働くためには、気密をきちんととっておかないと能力が発揮されません。
スカスカの家では、換気システムは機能しないんですね。

排気レジスターは写真のような形状のもので、各場所で必要な風量を調整できるように作られています。これは浴室に付いているところを撮ったものです。

これが、その他キッチンやトイレ、押入れやクローゼット。下足室などにも付いて、24時間ゆっくりと換気してくれております。

こちらは、換気システムの本体です。
このお宅は体積が大きいので、1階と2階に分けて2台付けております。

第3種の換気システムで、排気を機械で行い、新鮮空気は吐き出した分量だけ、給気レジスターから自然に入る方法です。
一番シンプルで長持ちし、メンテナンスも難しくなく、一生付き合っていけるシステムですね。

スウェーデンのフレクトという会社の製品で、基本的な形状や仕様がずっと変わらないのがいいです。本体もモーターだけ取り換えられるのも優れた考え方だと思いますね。

日本の製品も、こういう考え方をしていただきたいものです。

気密測定0.175

今日はお客様の立ち合いもいただき、完成の気密測定を行いました。
結果は、最終的に総相当隙間面積45㎝^2に対し、実質延べ床面積が257.35㎡なので、C値は0.175㎝^2/㎡という結果となりました。

大きい家なので心配でしたが、十分な性能が結果的に出せてよかったと思います。

いろいろ調べていて、夜になってしまったのですが、機械のプリント用紙が最終の赤ラインが入っていて、ヤバいなと思いましたが、案の定途中で切れてしまいました。

勝山で事務用品を売っているところもわからず、ホームセンターへ行っても売ってなく。
iPhoneで調べて行った店は、小さな店で売ってなくて…。

結局、家電屋さんでFAXのA4の感熱紙を買って、細幅に切ってロールに巻いて差し込んで印刷したのが写真のものです。

気密測定機も、毎回レンタルするのですが、前に使った会社の始末がずさんで困りますね。
以前は電源コードが入ってなかったりすることもありました。

感熱紙も赤ラインが入ったことを返却時に伝えてくれればいいものを…。
気密測定を行うような会社は、きちんとしていると思いたいところですが、現実はいい加減ですね。

気密測定機も自社で欲しいとも思うのですが、なにせ高いものですからレンタルにしています。
どうせお金を使うなら、なるべくお客様に還元できることに使いたいと思うものですから・・・。

広告でもなんでも、無駄を省いて、できるだけ造る作品に対してお金をかけるほうが残るものが大きいと考えます。
気密測定の値も、結局目指しているものの結果なんですね。

次世代エネルギーの考え方

今日はパナソニック リビングフェアの業者向けのセミナーがありまして行ってまいりました。
東京工業大学の柏木孝夫教授のお話で、「次世代エネルギーとスマートコミュニティ構想」というお題。

やはり太陽光発電による、電力を作る話がカギになるのですが、要はこれからの住宅は「省エネ」から「創エネ」の方向になるというお話です。

現在も太陽光を載せれば、電気を家庭で発電し、売電という流れで電気を作っているわけですが、今後これがどうなるか。
実は売電も現在太陽光を載せた方々には、期限を決めて保障されていますが、今後2015年には売電の契約もなくなるとか。

そうなると、日中余分に発電しても、垂れ流しというか、使わないと無駄になってしまう可能性があります。
ですので、スマートグリッドとか言って、各家電機器に通信制御機能が加わり、たとえば深夜でなく、日中の太陽が出ていて電気が余るときにエコキュートでお湯を沸かすとか、自動制御を行おうというもの。

それでも余るかもしれない電気は、電気自動車に貯め込む。
この電気自動車で充電した電力というのは、家庭の電気2日間持つくらいの大きな容量があるとか。

また、電力の売買が自由化されることで、この自動車に積んだ電気をたとえばスーパーマーケットの充電スタンドに行って売電が出来るようにもなるそうです。
ですので、将来は「創エネ」つまり電気を作れる家というのが、キーポイントになってくるそうです。

それ以外に、各家庭が電気をどのように使っているかが、集中管理できるため、異常な電気の使い方をしている家がチェックできたりする。
このことを利用して、新たなサービスも生まれてくる。こういう様々な要素を需要と供給を含めて快適にマネジメントすることを「スマートコミュニティ」と呼ぶようです。
(言葉足らずなどありましたらゴメンナサイ)

でも、そういう流れが次世代に向けて考えられているんですね。感心しました。
FPの家もゼロエネルギーに持っていく以上に、高断熱による省エネで、より多くエネルギーを生み出せる性能を持った家としてアピールしていきたいものです。

中間気密測定結果


今日は勝山の現場の中間気密測定を行いました。
お客様立ち合いで1回目でいきなり総相当隙間面積40㎝_2が出ました。

その後、2回目に測ったもので写真の39㎝2でした。
機械は四捨五入するので、相当隙間面積(C値)は、0.2㎝_2/㎡となりますが、細かく言うと0.1515㎝_2/㎡です。

大きい物件なので、気密施工部分も2件分くらいあるのですが、大変良い数値が出たと思います。
大工さんと確認して回りましたが、特に手直しする部分もありませんでした。

これで安心して次の工事の段取りに入れます。
お客様にも安心していただけたかなとホッとしておりますね。

メンテナンスしながら

先日から歯医者にさんに通い始めました。
なかなか用事が重なって行けなかったのですが、やっぱり自分の体もきちんとメンテナンスしておかなくてはね。

奥歯が痛むので見てもらいましたが、一度治療してある下の部分がまた弱ってきたようでした。
以前親知らずを抜いたので、その次の奥歯に負担がかかるようです。
「あまり強く噛まないでね。」と先生はおっしゃるのですけれど、難しいですね。どこで噛めばいいのか…。

痛みはとれて楽になりました。 やはり歯が痛いと集中できない事もあって、やはり悪いところはすぐ治すようにしないといけませんね。

歯も永久的なものではないし、生きている間なるべく大事にメンテナンスしながら付き合っていかなくてはいけません。
家もまたしかりですね。先日板金屋さんが言っておりましたが、古い建物なのに全然傷んでなくて、お施主さんに聞いたら、しょっちゅう外壁を塗り替えているとか。
手をかけて、早め早めに処置をしていると、古い品質のものでも、とても長く使えるんだそうです。
肝に銘じておきたい話ですね。

道路の粉塵

今日はKH邸で、給気のフードを防音型に取り換える工事をさせていただきました。
こちら、国道に多少近いこともありまして、太陽光発電の工事で必要だった足場を利用して、より過ごしやすいんではないかと提案して、サービスでやらせていただきました。

実際それよりも、フィルターの汚れ具合がきつく、半年たってないのにもう厳しい状態。
おそらく粉塵ですね。国道とは、3階建てのビルを挟んで建っているのですが、それでも飛んでくるのでしょう。

お施主様も、まだこんな汚れも、フィルターで取ってくれているのだからありがたいとのこと。ほんとにそうですね。
ご近所のお宅は、窓を開けておられたりしているようですが、そのまま家の中に入っているということですものね。
やっぱり家は、隙間があってもいけないし、24時間換気の有効性も改めて感じました。

今回、フィルターもフリマーフィルターという筒状に繊維が入った強力なものに変えることも前提にあったのですが、こちら音もかなり消音してくれるようで、防音フードと相互作用でよい結果となりました。
今後は、こういった提案もさせていただきたいと思いますね。

気密を考える 3

北陸も梅雨明け宣言が出されて、今年は早い夏がやってきました。

基本的に夏は大好きなので歓迎すべきなのですが、梅雨明けにと考えていた工事も山積していて、また段取りに追われそうです。

 

さて、気密の話を続けていますが、冬の例を出してなおさら暑い思いをさせてすみません。

暖房に限らず、冷房であっても気密がとれていなければ、エネルギーロスが起こることは言うまでもありません。

それと換気の問題。ここが肝心なところなので何度も書いていることですが、書いておきます。

 

気密が高いと息が詰まるとか、低気密のほうが空気が入ってきて良いような言われ方をします。

けれど、隙間があると換気するというのは間違い。

風が吹いたり気圧が変わらないと空気は動かないし、ましてや家全体がきれいに換気されるなんてことは、低気密の家ではできないことなんです。

 

先日メーカーさんの営業さんとお話していましてわかったのですが、その営業さんマンションに住んでいて、家に帰ると今は暑いので、まず換気システムを回すとのこと。

熱気を出してからエアコンをかけるというのですね。ここに問題があります。

 

その換気システムですが、かなりの風量のようで、それ一つで全体を換気しようという設計でしょう。

これは建築基準法で定められたから仕方なしにつけたようなシステムですね。計算上はそれでOKなのでしょう。

でも、そんな風量のシステムを入れっぱなしにするわけでなく、結局止めているわけです。これは基準法ではOKの話ではないはず。

住む方が悪いわけではないのです。考えが足りない矛盾した法律を作るからこういう風になるのです。

 

しっかりと断熱・気密をセットでとって、それに計算され換気システムを稼働させる。この基本ができていないとすべて無駄なこと。

気密がたっていれば、少ない風量の換気で家全体を換気できます。それで出ていくエネルギーはわずかなもの。

そういうことをきちんと国がわかっていて指導するようでなくて、なにがエコハウスかという話です。

 

行政の無責任で、無駄な家づくりがやまない今日を思うと、残念でならない想いですね。

気密を考える 2

今日は昨日のお話の続きです。

気密をとらない施工というのは、断熱材の効果も無意味にしてしまう話。

 

断熱材とは、「空気の流れを止める」というところに意味があるということ。

それが気密工事をせずに断熱材だけ入れても、空気は動いてしまうわけなので、たとえば数値で表している効果も出ていないことになってしまいますね。

冬に胸元の空いたセーターを着るのと、タートルネックとの違いのようなもので、間違いなく後者のほうが暖かいのと同じだと書かれていました。

 

隙間から室内の暖かい空気が流れ込むのと同時に、壁の中で冷やされて壁内結露を起こすことも、よく知られている話です。

北欧や寒い国の建物は、その為に外壁面に気密シートを張り巡らせるのが当たり前になっています。(断熱材がグラスウールの場合ですが)

 

そんな常識があるにも関わらず、気密を悪者あつかいする風潮があるのは、いまだに古い日本家屋をイメージして設計をする頭の固い建築士の皆さんのせいかなと考えます。

自分もまた、そういう頭の固い設計士であったからこそ、あえて言いますが、日本の家づくりをきちんと考え直さないといけないと思います。

自分の固定観念にとらわれず、公平な目で見て、本当に大切なのはどういう家づくりかを未来に残す仕事をする立場から考えていただきたいと思っていますね。

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株式会社ライフ・コア デザインオフィス
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